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介護をめぐる昨今のニュースについて

月曜日, 2月 29th, 2016

こんにちは。特別養護老人ホーム 生活相談員の小倉でございます。
最近はほぼ毎日のように某施設でおこった介護に関する事件の報道がなされており、少しずつですが詳細が明らかになってまいりました。
以前このブログで介護従事者の不足が今後の日本の福祉にどのような影響を与えるかを述べたことがありましたが、今回の事件で「介護」のお仕事に対する世間のイメージが悪化することを非常に懸念しております。

介護に関するニュースで個人的に行方をしっかりと見ていきたい別の事例ですが、皆様は2007年に愛知県でおこった認知症の高齢者の男性がJRの電車にはねられ死亡した事故が裁判になっていることをご存知でしょうか?

この事故はこの死亡した男性と一緒に生活をして、介護をしていた家族に監督責任があるかが争点となっています。(JR側が振替え輸送等にかかった費用を家族に支払いを求めた)
1審、2審とも支払額の減額はありましたが、家族に対しての支払いを命じています。(民法では、認知症患者など、自らは責任を負うことができない人が事故を起こした場合被害救済の観点から監督義務者が代わりに賠償責任を負うと定めているそうです。)

厚生労働省は2025年に認知症の高齢者が約700万人になると推計し実に65歳以上の人の5人に1人が認知症になると発表しております。

どのような判決がでるかはこのブログ書いている時点ではわかりませんが、仮に最高裁でも支払い命令が出た場合、家族介護者はもちろんのこと、介護従事者もご利用者様の自由な行動を制限してしまう恐れが非常にあります。
また家族介護の限界がでた際、誰がそこをフォローしていくのかも重要な点でありコミュニティーでの包括的な支援体制を整えていくことが今後生活相談員に課せられた重要な仕事だと考えております。

3月初旬には判決がでますのでまた機会があればお伝えしていければと思います。