感動

こんにちは、居宅介護支援事業所の岩城です。

以前このブログで「老化予防のカキクケコ」というテーマで投稿させていただきました。柴田トヨさんの詩から何歳になっても「コ」恋することの大切さを書かせていただきましたが今回は「か」感動することについて書かせていただきます。

この1年余り連日ニュースやワイドショーで新型コロナウイルス感染拡大が報じられています。新規感染者数が過去最多、重症者や死者が過去最多いくらか減少に転じても〇日以降最多、〇曜日の数字で最多等と不安が煽られています。自粛生活が続きスポーツやコンサート、映画等のイベントも無観客や人数制限され私たちは暮らしの中で感動する機会が少なくなっているように思います。そして気持ちが落ち込んだりイライラすることが多くなり社会全体の老化が進んでいるように感じられます。しかし制約の多い暮らしの中でもよく見ると感動の種はあちらこちらに転がっています。

NHKの朝ドラ「おちょやん」が先週最終回を迎えました。この半年間私はこのドラマから数えきれない感動をもらいました。ご存じの方も多いとは存じますが少しストーリーをふり返りましょう。主人公竹井千代の人生は波乱万丈、筆舌に尽くし難い苦難の連続でした。9歳で親に捨てられ帰る家が無くなります。奉公先で苦労の末に手にした僅かな貯金や周りの信頼はひどい父親に奪い取られてしまいます。その後も身体的、精神的、経済的虐待が続きました。苦労の末にようやく報われたかに思えた結婚生活は夫の浮気と相手の妊娠によって破綻し千代は再び家庭と家族を失ってしまいます。史実によると主人公のモデルとなった方は何度か自殺を図るほど追い詰められたそうです。しかし、そこを乗り越え再び役者として歩み始めた千代の生きざまは見る者の心を大きく揺さぶりました。半年間、115回の放送の内ラスト15回の感動はすさまじいものがありました。家庭と家族を失うことで始まったドラマは最後に千代がかけがえのない家庭と家族を得ることで幕を閉じました。自分を追い出し家庭と家族を失う原因となった継母、栗子と再開し姪の春子と三人で暮らすようになったある日、栗子から「血のつながっている春子を守ってやってほしい。」と頼まれた時の千代の言葉がこのドラマのすべてを表していると思いました。「ほんまあほやな、何もわかってへんわ。血がつながっていようといまいと、そないなことどうでもよろしいのや。春ちゃんはもう、うちの大切な家族だす。一生うちが守る。・・・、栗子さんもやで。」

家族、愛、赦しそして泣き笑いについて本当に多くの感動をもらったドラマでした。前作の「エール」も良かった。今週から始まる「おかえりモネ」にも新たな感動を期待しています。